For every homeopath.
For every patient.
すべてのホメオパス、そしてホメオパシーを
必要としているすべての方々のために
新型コロナ・ウイルスについて
2020-02-03
日々、新型コロナ・ウイルスの報道があります。
状況は現在進行中ですから、正確なことは誰にもわかりません。しかし、私たちは必ず、この状況の出口にたどり着くことは間違いありません。
幸い、「落ち着いて健やかに生活する」という、この状況に最も効果的な行動を私たちは取ることができます。
このような時だからこそ、普段よりもご自身の身体の声を丁寧に拾い、家族やパートナーの体調を気遣い、栄養のあるものをしっかり食べて、よく眠ることが肝心です。やむを得ず無理をしなければならないときも、心と身体を整えてあげることを積極的に行ってください。
この投稿は、日本ホメオパシー協会から皆様に次の2点をお知らせすることを目的としています。少し長い文章ですが、これからしばらくの間、少しでも皆様のお役に立つことを関係者一同願っております。
- 「感染した場合も全員が発症して肺炎で死亡するのではない」ということ
- ホメオパス向けに現時点で参考になるであろう情報
新型ウイルスはパンデミック初期に最も死亡率が高くなる傾向があります。ウィルスがある程度拡散してくると、効果的な対処療法の確立など複数の要因により死亡率も低下していくと考えられます。
新型コロナ・ウイルス感染症への予備知識
新型コロナ・ウイルス(2019-nCoV)感染症は、遺伝子学的に SARS-CoV に近縁です。病原性や強毒化については今後の観察が必要です。
風邪に関連するウイルスは変異が激しいことが昔から知られています。風邪のワクチンが存在しない理由はそこにあります。この新型コロナ・ウィルスも変異すると考えておく方が自然でしょう。薬剤の開発には5年以上要することが一般的であるため、新薬の期待を持つことは現実的ではありません。感染リスクを下げ、免疫力を上げて発症リスクを下げる事が重要です。
– 感染者数と死亡者数
日本の検査では、遺伝子の増幅方法のPCRと呼ばれる方法を採用しているようです。当面の間は感染者が増える方向で推移すると思われます。死者の数が日に日に増えている報告がありますが、年齢や持病の有無や程度に関する個人的背景は伝えられていません。肺炎の基本は体力的な弱者が圧倒的に多いことが現代医療では良く知られています。やはり、できるだけ感染リスクを下げ、免疫力を上げて発症リスクを下げる事が重要であると言えます。
– 感染と感染症について
ウイルスを持った状態を感染の成立と言います。この感染を防ぐ手段は残念ながら存在しません。なぜなら、ウイルスが余りにも小さいからです。マスクの隙間から容易に侵入することができ、そして、不顕性感染者(発症せずウイルスを持つ人)の方が圧倒的に多いと考えることがより自然であることから、感染症を発症した人を隔離しても現実として感染拡大を防ぐことは難しいと考える必要があるでしょう。
感染した後の個体が発症するためには、体内の免疫システムを突破しなければなりません。ウィルスは身体の細胞(主に気道)に侵入して増殖され、それを防げない場合に症状が発症すると考えられますが、この時点ではじめて感染症と呼ばれる状態になります。発症者は大量にウイルスを排出することになるので、エチケット マスクは必須であり、人との接触は極力避ける必要があります(場合によっては隔離が必要です)。
以上のことから、「感染した場合も全員が発症して肺炎で死亡するのではない」ということがお分かりいただけたかと存じます。報道される感染者や死亡者の数から不安にならず、各自で可能な範囲の自衛を積極的に行ってください。
有効な自衛手段
以下のような身の回りで出来ることを実行し、感染するリスクを低下させること (自己免疫を落とさないこと) を心がけましょう。
- 十分な睡眠と休息を取り、疲労による抵抗力の低下を防ぐ
- 添加物の多い食べ物や、暴飲暴食を避けて胃腸に負担をかけない
- 食物繊維やミネラルの豊富な穀物や海藻をしっかり取ることで身体を健康に保つ
- マスクは正しく着用する
- 外出した場合は、帰宅時にうがいと手洗いはしたほうが良い
- 洗っていない手で目、鼻、口に触れないようにする
感染が疑われる場合、最寄りの医療機関を受診して検査を受け、医師の指示に従いましょう。特に肺炎の疑いがあるほど咳が激しい場合は速やかに医療機関を受診してください。
ホメオパス向けの参考情報
コロナ・ウィルスは変異により症状が変化することがあります。ホメオパスはクライアントの症状をセッションで可能な限り観察し、クライアント毎にレパートライズすることを忘れないでください。
参考として、初期のウイルス病態の情報をお伝えします。
– Lancet 2020年1月24日
新型コロナ・ウイルス最初の41例の分析
- 41例中30例(73%)が男性
- 年齢の中央値は49.0歳。
- 13例(32%)が何らかの基礎疾患有
- 発症時の一般的症状は、発熱(98%)、咳(76%),筋肉痛と疲労(44%)で、喀痰や頭痛、喀血および下痢などもわずかに確認。
- 全症例で肺炎があり、98%が両側性病変。
- 40 例中22例(55%)で呼吸困難、発症から呼吸困難までの中央値は8日
- 合併症は、急性呼吸促迫症候群(29%)、RNAaemia(15%)、急性心障害(12%)、2次感染(10%)。
インド政府の AYUSH 省から発信されている情報では、予防的な対応としてArsenicum Album(Ars.)が推奨されています。
処方の目安:
Ars. 30Cを3日間にわたり1日1回、空腹時に服用します。
近隣で新型コロナ・ウイルスの発症が蔓延している地域では1か月程度は継続します。
参照情報:
Indian government recommends homeopathy to tackle coronavirus
https://www.theweek.in/news/world/2020/01/29/indian-government-recommends-homeopathy-to-treat-coronavirus.html?fbclid=IwAR0y6YMNUg7FyHewLeRRcvuDJ8mx_FkPMHOYcpyEVFYaNV0FYPBr2vPbprM
AYUSH: Advisory for Corona virus
https://pib.gov.in/pressreleasepage.aspx?prid=1600895#
アメリカの有名なホメオパスのひとりで複数のホメオパシー書籍の著者でもある Miranda Castro が Facebook にご自身の分析を公開してくれています。
Coronavirus aka 2019-nCoV: My Notes
https://m.facebook.com/notes/miranda-castro/coronavirus-aka-2019-ncov-my-notes/2786040451453078/
以下に彼女のノートから一部を抜粋します。(1/30時点)
– From Miranda’s my note:
これは、インフルエンザのような RNA ウイルスですが、一般的なインフルエンザ・ウイルスの症状とはいくつかの重要な違いがあります。これらの違いは、効果的なホメオパシー・ソリューションの選択に役立ちます。
一般的な症状:
発熱は通常、低グレード(37℃-39℃未満)です。
疲労(倦怠感)および筋肉の痛み
珍しい症状:
息切れを伴う、乾いた咳が発生する
コリーザ(鼻水)は出ない
症状が続いた人々は肺炎を発症しました。一部の患者では、腎臓 / 肝臓 / 心臓が影響を受けました。
レメディに対する私の考えは、この時点では理論的な考察にすぎません。なぜならば、私は新型コロナ・ウイルスに感染した患者を担当した経験がないからです。
このウイルスに感染すると、ゆっくり発症していくようです。潜伏期間は不明ですが、初期症状(発熱と咳)は 1 週間続きます。したがって、Aconite は、突然起こる病気の最初の兆候で主に示されるため、賢明なレメディのようには見えません。
最初の症状は、筋肉痛と疲労を伴う発熱。これは Gelsemium に適しています。特に、筋肉が痛む場合、発熱と交互に(背中の)悪寒が伴う場合、のどの渇きがある場合です。
乾いた息切れを伴う咳が出る。この段階で他の症状がなければ、Ferrum Phosphoricum が最初に考慮すべきレメディになります。
モダリティまたは一般的な症状がある場合は、症状に応じて Phosphorus、Bryonia、Arsenicum Album、Ipecac または Antimonium Tartaricum が適応となる場合があります。
治療法もワクチンもまだありませんので、できるだけ多くの明らかな自衛策を講じることが賢明です。
ここまでが Miranda の公開してくれたノートの抜粋です。
また、有名なインドのホメオパス Farokh Master もご自身の理論面での分析を公開しています。
– From Farokh Master:
新型コロナ ウイルスの症状から、対応するホメオパシーのレメディとしては Justicia Adhatoda (Just.) が良い働きをしてくれる可能性があるでしょう。
処方の目安:
Just.3X(1,000倍希釈)を10滴、量にしてティースプーン1杯程度を1日1回取ります。
(3Xのポーテンシーの代用として6C、12C、30Cを用いても良いでしょう。)
レパートライズ:
私の見解に対して、多くの方からルブリクスの問い合わせがありました。
私は Radar のソフトウェアで Synthesis その他のレパートリーを用い、以下のルブリクスをピックアップして Justicia Adhatoda (Just.) にたどり着きました。
EYE – LACHRYMATION – coryza; during
NOSE – CORYZA – cough – with
NOSE – CORYZA – discharge, with
NOSE – CORYZA – followed by – Air passages; complaints of
NOSE – CORYZA – lachrymation; with
NOSE – DISCHARGE – copious
NOSE – DISCHARGE – watery
NOSE – SNEEZING
RESPIRATION – COUGH – during – agg.
RESPIRATION – DIFFICULT
RESPIRATION – DIFFICULT – cough – during – agg.
RESPIRATION – IMPEDED, obstructed
RESPIRATION – RATTLING
RESPIRATION – WHEEZING
COUGH – CONSTANT
COUGH – PAROXYSMAL
COUGH – SPASMODIC
COUGH – VIOLENT
CHEST – INFLAMMATION
CHEST – INFLAMMATION – Bronchial tubes
CHEST – PARALYSIS – Lung – catarrh; from
CHEST – PARALYSIS – Lung – congestion; from
CHEST – RESPIRATORY tract; complaints of – catarrh
CHEST – RESPIRATORY tract; complaints of – catarrh – acute
ここまでが Farokh の公開してくれた情報です。
ご紹介した情報はあくまで参考です。レメディを検討する場合は、必ず症状を元に複数のマテリア・メディカから最終確認を行うようにしてください。確信が持てない場合、信頼するホメオパス同士で相談したり、経験の豊富なホメオパスへ連絡を取り、より確実なレメディを探してください。
★レメディArsenicum Album(Ars.)のテーマ
07.アルセニカム・アルブム(Arsen alb)- エインズワース社基本レメディー42種キット
https://nihon-homeopathy.net/…/…/materiamedica/arsen-alb.htm
★レメディ Gelsemium(Gels.)のテーマ
20.ジェルセミウム(Gelsemium)- エインズワース社基本レメディー42種キット
https://nihon-homeopathy.net/…/…/materiamedica/gelsemium.htm
★レメディ Ferrum Phosphoricum(Ferr-p.)のテーマ
19.フェーラム・フォス(Ferrum Phosphoricum)- エインズワース社基本レメディー42種キット
https://nihon-homeopathy.net/…/materiamedica/ferrum-phos.htm
★レメディ Phosphorus(Phos.)のテーマ
35.フォスフォラス(Phosphorus)- エインズワース社基本レメディー42種キット
https://nihon-homeopathy.net/…/remedy/materi…/phosphorus.htm
★レメディ Bryonia(Bry.)のテーマ
09.ブライオニア(Bryonia)- エインズワース社基本レメディー42種キット
https://nihon-homeopathy.net/…/re…/materiamedica/bryonia.htm
★レメディ Ipecac(Ip.)のテーマ
24.イペカック(Ipecac)- エインズワース社基本レメディー42種キット
https://nihon-homeopathy.net/…/rem…/materiamedica/ipecac.htm
★レメディ Antimonium Tartaricum(Ant-t.)のテーマ
03.アント・タルト(Antim tart)- エインズワース社基本レメディー42種キット
https://nihon-homeopathy.net/…/remedy/materi…/antim-tart.htm
★レメディ Justicia Adhatoda(Just.)のキー・ノート
(JUST YOU SEE – BROADENING THE HOMOEOPATHIC HORIZON – Dr. Sunirmal Sarkar Foreword by Dr. Rajan Sankaran)
咳、再発性の咳、風邪の症状
その他の兆候:
- 暖かい部屋で咳が悪化する
- 天候の変化で悪化する
- 便秘を伴う
- Drosera のような発作性の咳
- 咳の出る鼻風邪
- 喉の渇きを伴う舌の乾燥
- 狭窄感のある息切れ
くしゃみに悩まされている患者。百日咳で、カタル性の症状が認められる。
咳は絶え間なく激しいものです。胸はで痰で満たされているようで、粘液のガラガラ音が聞こえますが、吐き出されるものはほとんどないか、咳を繰り返すことで緩和されます。
しつこい、黄色がかった痰が出ます。時々、乾燥したような、痙攣して収縮するような咳が出ます。咳のため呼吸がとても困難になります。そのため息苦しさに対する恐怖があります。
子供は呼吸しづらいため、顔色が悪くなり、それは次第に青くなり、それに伴い身体が硬直します。
通常は咳と共に嘔吐し、食べ物や飲み物は胃にとどまることができません。また、食欲が大きく減衰し、頑固な便秘の症状を伴います。
そのほかの症状として、肝機能障害です。
特徴的な精神症状は、過敏性です。
患者は簡単に怒ります。ユーモアがなく、会話をすることを非常に嫌います。腹部にガスがたまり、ゴボゴボという音が聞こえます。
これらのいずれかひとつの症状と共に、絶え間ない粘液の分泌があります。頭は詰まっている感じがして、熱くて重さを感じます。目と鼻の粘膜はとても充血していて、鼻から大量の分泌物が流れ続けます。
嗅覚と味覚は完全に失われます。
長く発作的で猛烈な吐き気を伴う咳; 胸が破裂するかのように; 気管支がガラガラ音を立てる症状を伴い; 呼吸を妨げる; くしゃみ、硬直 (ddx.Ipec.); 震えや痙攣; 高熱を伴う。
主なルブリクス:
– Coryza: cough, with.
– Coryza: fluent, watery.
– Coryza: lachrymation, sneezing, with.